2011年12月30日金曜日

ポテトスピナー!

ポリススピナーにあらずであしからず。
またまたマイナーなネタで恐縮ですが、いや、でもコレが結構面白いんです!

コレはポテト・ディガー(イモ掘取機)の中でもポテト・スピナー(スピンナ等)という方式の農機具で、主に1940~50年代にジャガイモ農家の多い北海道で普及しました。


機械としての構造は比較的単純でして、幾つかの部品を買えば町工場の規模でも造れるレベルだと思います。そのせいか同方式を複数のメーカーが生産しているにもかかわらず、そのどれもが形がよく似ていて殆ど見分けが付きません。

 これを近くで見る事が出来れば、人が鍬(くわ)で掘り起こしていた作業を自動化した事が一目瞭然で笑ってしまうほど単純です。なにせ本当に鍬が5本ついていてグルグル回るだけですから。

とはいえ、これでも(カタログの宣伝文句によると)手作業の40人分の働きをするというのだから決して馬鹿には出来ない作業機だったでしょう。

  基本的に畜力農機具なので、前進する車軸の回転から動力を取り、ベベルギアを介して後部の5本鍬を回わす仕組みになっています。バックする際はラチェット式のクラッチが働いて鍬が回転しないようになっています。

 ちなみに主にトラクターで使われるポテト・ディガーには現在使われているリンクベルト式という立派な作業機が戦前から有るには有るのですが、(恐らく大きなコスト差から)トラクター購入後もしばらくポテト・スピナーを使用する農家も多かったようです。この固体もトラクター用ではないかと思います。

 

下図はこの個体のメーカーでもあるスター農機のカタログから「馬鈴薯堀取機」。さすがに細部まで良く似ています。生産時期も近いのかもしれませんね。

 ところで、図では右にノレン状の物体がぶら下がっていますが、未使用時は邪魔なためか、外されるか失われてしまうようで、今のところ付いている個体を私は見たことが有りません。これで飛びすぎたイモをキャッチするのだから意外と豪快に掻き出すようですね。

 今回のはとある農家宅で展示?されていた個体で、羊蹄山をバックにした素敵なロケーションでありました。実は北海道を走り回り、注意深く捜すとごく希にですが、このように門前などに置かれたポテト・スピナ-を見かける事があります。しかし、これだけオリジナルの塗装やマーキングが残っているのは他に見たことがありませんでした。しかも鍬の杖が木製タイプですからきっと屋内保管されていたのでしょうね。とくに防錆塗装もされていないので少々勿体ない気もしました(その後撤去。どうなったのでしょう・・・)。

 さて、他にも見つけた個体が幾つかあるので(需要はゼロでしょうが)いずれ紹介していきたいなぁ(笑)

関連リンク
ポテトスピナー2
ポテトスピナー!

2011年12月18日日曜日

スターウォーズ小ネタ

ちょっとお気楽ネタも混ぜないと・・・調べ事をしていて、答えが出るまでフンヅマリになって、また何ヶ月も放置しそうです。

スターウォーズEP1最大の疑問が解けた。

スターウォーズのEP1~3にはイマイチなポイントが幾つもあるけれど、中でも、ジェダイ達のスーパーマン的な描写は映画的な意味での最大の失敗かもしれません。

というのも、そのシーン自体が面白くないのはスルー出来ても、それ以降の全ての場面で、「いやいやアナタ、あの凄いジャンプ力で逃げれるじゃん。なぜ能力を使わない?」といった具合に、アクションシーン(見せ場)の緊迫感を一気に減退させてしまうからです。

ま、そんな事はスターウォーズファンなら重々承知という事でしょうか。そんな意味でのEP1の大疑問シーンを、ダークサイドからのツッコミではなく、愛の溢れる「擁護」で作られた見事な動画です。論理的に納得するかは別ですが・・・(笑)


昼下がりのAT-AT
個人的にスターウォーズ関連の動画では、上の動画と甲乙付けがたい最高傑作です。もっとも比べる様なクオリティじゃないですが。 これは出来映えに感動。


どちらも大人気の動画です。まだの方は是非ご覧を。

2011年12月8日木曜日

大原鉄工所 小型雪上車 SM15 意外な正体

「ムム。このタイプは見たこと有るような無いような・・・」
大原鉄工所 小型雪上車 SM15
今年の10月、北海道旅行中の機械好きの友人からメールが届きました。

「雪上車を積んだユニックが宿の前を通ったよ!その後、駅へ帰る途中に修理現場を目撃したよ!」とのこと(大意)。そして添付写真を見ると、まるでUMAのごとく微妙に見慣れない雪上車が写っているではないですか!ぬおー!

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実車確認
2日後、現場へ行きました。私が真っ先に思ったのは「げ!小さい!」。 以前見た同型車よりも感覚的に小さい気がしました。変ですね、ユニックの荷台上で情け無さそうにしてる姿がそう見せたのでしょうか(笑)

傍らではゴムキャタピラの修理中でした。

観察するとゴムベルト自体は長い一枚物ですが、一つ一つ穴を開けて、センターガイドでもあるゲタ山金具(なんて言うの?)をボルト止めしています。凄く面倒な代物ですが、手間さえ掛ければ手作業で修理出来る方式ではあるなぁと感心です。


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 こいつの正体
 さて、既にネタバレしているようにコレは大原のSM15とみて間違いないでしょう。ボンネットからフロントにかけてのカマボコ的な丸みが特徴的です。現在では当たり前となったゴムキャタピラ+ゴムタイヤの組み合わせになった最初の国産雪上車であり、後のSM20、SM30へと繋がるスノータイガー・シリーズの始祖という事で記憶しておきたいモデルです。

ただし、SM15なのは良いとしても私が気になったのは、過去に見たSM15とは明らかに違うグリル形状です。簡単に言うと普通は少々装飾的な「枠」の付いた金網グリルなのですが、コチラではジープのプレスグリル的なスリット処理なので面構えが大きく異なります。

この他で気になったのはミラー、通常のSM15は昔の車のフェンダーミラーみたいな位置に小さな物が付いていました・・・と思ったものの、実はこれ、よく見るとブラスチックで新しげです。どうも支柱ごと後付けしたみたいで、写真を確認するとちゃんと本来の取り付け位置にボルト穴が2つ開いてました(笑)

という事なので、棒バンパーもオリジナルかどうか怪しいので重視はしない方が良さそうですね。なお、青味がかったグレーは後塗りで、その下は黄色のようです。元は開発局あたりでしょうか。

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試作型との類似・・・

実は、SM15の試作1号車は国内でテストされた翌年の昭和43年、第9次南極観測隊によって南極に持ち込まれています。後部の丸いボディが特徴で、これの写真は大変希少と思っていました。

ところが、前回のエントリーで南極の雪上車の画像を検索していると、なんと!この1台キリの試作車が2008年初頭まで東オングル島にスクラップとして現存していたというでは無いですか!

そして写真、グアアッ!グリルがジープ風だ!

そのグリルの他にも、屋根の先端がなだらかにウインドウに繋がる造形や、ボディ全体がサビて鉄板製である所が今回の車両と類似していて、これまで見た量産型SM15とは異なっています。

これはつまり、今回のはSM15でもかなり初期のモデルと見て間違いない?

SM15は、昭和42年(量産は43年?)からガソリンと、ディーゼルの2本立てで作られましたが、ガソリン仕様は44年まで(僅か14両)、ディーゼル仕様は51年まで(139両)で生産を終えたようです。もし中でも極初期の型であるならば14台のガソリン仕様の可能性も有りますね。
(実はガソリン仕様の約2年で14両の生産でも、SM15GとSM15GTがあります。GTは後部が荷台のトラック仕様かもしれないけれど不明)

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 ジープなグリル

この車種から採用される事になったゴムタイヤとゴムキャタピラの新しい足回りは、大原は当初ジープの改造車両で実験を重ねています。そして試作型SM10とSM15が作られ、量産型SM15へと繋がりました。

もしかすると設計者は雪上ジープ的なイメージを最後までが持っていたのかも知れませんね。

面白いのは、今回見つけた初期量産型のグリル穴は8本で、試作型が6本である事。
これはジープの意匠登録とされる7本を避けたものでしょう。


◆関連エントリー
○大原鉄工所 小型雪上車 SM15
●南極の雪上車 SM25S
●南極の雪上車 KD20-2T


 ◆◆◆◆◆◆◆◆後日追記◆◆◆◆◆◆◆◆


●記事中にある、以前見た個体の写真が出てきました。

問題のグリル、よく見るとグリルガードを外に追加しているだけにも見えますが、その奥にスリットグリルはないのでデザイン変更したものと思います。

屋根は平らな一枚物を「載せた」処理になっています。その結果、 ワイパー付け根=雨ドイから上の高さがあり、後部も同様に変わっているのでキャビン形状が角ばって単純に見えます。

バンパー、ミラーはコチラが本来の形と思われます。
色は全塗装して間もないようでオリジナルではありません。


2017年追記


新たに見つけた緑の個体。初期CJジープのように右側面にスペアタイヤが付いています。後期型ボディですが屋根の処理が若干違うのでこの後に手直しが入ったようです。また、後部両サイドの窓が妙に上に長いのもこの時期の特徴なのでしょう。

  銘板を読むことができましたが、SM15Gの昭和46年11月製なので上記本文が間違っていた事になります。製造番号も資料より少々オーバー。別途プレートで開発局の車体ナンバーも記されているので開発局に納入した車両で間違いないでしょう。

さてコレは・・・、参照資料が間違っていたか私が読み間違えたか、お得意様の注文でちょいとエンジンだけ替えてみたので員数外として忘れられたとか。う~ん、分からない。分からないから面白い!(いいのかそれで)

 2019年追記!
ヤフオクより引用
なんと!昭和45年10月生産のSM15Dがヤフオクに出ていました!

驚くことに、ジープ風グリル、若干丸みのある屋根、側面と後面の小さい窓、棒状のバンパーという初期型の特徴を持っています!

つまり、この「45年製造」の初期型の翌年に、上記の緑の後期型「46年製造」が造られているという事になります。

昭和45~46年の冬シーズンまでは初期型で、オフシーズン(春夏)に各部の設計変更を行い、同46年秋から後期型を生産したと見て良さそうです。

サンプル数が少ない中、今回は「初期型の最後期」で、前回は「後期型の最初期」だと分かる2個体を知れてモデルチェンジの年が分かりました。量産初期型は3年間の生産だったようです。

2011年12月7日水曜日

南極の雪上車 SM25S

南極越冬隊資料展示館 小型雪上車 SM25S 251号車
前回紹介のKD20-Tは稚内市青少年科学館に展示されていますが、その裏側の駐車場の奥にうっかり見過ごしてしまいそうな「南極越冬隊資料展示館」があります。そこに南極地域観測隊の251号車、つまりSM251号車が屋内展示されています。
陸別町イベントセンター 小型雪上車 SM25S 252号車
北海道の足寄郡陸別町には陸別サーキットというオフロードコースがあり、その横の施設、陸別町イベントセンターに、252号車が展示されています。実は全く偶然見つけた物で、その後、ネットで調べても全然ヒットしなかった知名度の低い車両です。平成10年に持ち帰った物だそう。

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さらに2011年現在、福山自動車時計博物館に253号車が、つくばエキスポセンターに254号車が、千葉県松戸市の昭和の杜に255号車が展示されている様です。 

なんと1~5号車までの全車が国内に現存するんですね!
 この事実を知ってる人は少ないのでは!?





なお1~3号機までは通常の2本レバー操舵ですが、4号機からはハンドルになっているので関東の4、5号車をご覧になる方はそこにも注目してくださいね。 もっともレバー型の方も機械式ではなく油圧式のジョイスティック的な小サイズの物で、後の市販雪上車で採用されるタイプですので見ものです。


◆◆◆◆◆◆◆◆

これ以前に南極観測隊では、水上浮揚ボディのSM15S、SM20Sを採用していました。大原鉄工所の市販雪上車、SM15、SM20をベースとした車両ですが、浮力を高める為の軽量車体では牽引力が少ないなど問題があり、後継車では異なるコンセプトの全く新しい車体を開発する事にしました。油圧繰向装置を初採用するなどメカ的にも一新! いやぁ~それがこの格好良いSM25Sという訳です。
なお、市販型は無いので末尾のSのないSM25型と記されていても同じ車種です。(後日訂正、大原が昭和45年から「ラトラック」を作る前の43年に自力でゲレンデ整備車に参入したのですが、その謎の雪上車がSM25Dの名だったようです。このSM25Sとは時期的にも設計的にも繋がりは無いはずです)

試験を兼ねた1号車を南極に持ち込んだのは昭和62(1987)年の28次隊でした・・・という事で、前回の2次隊(タロジロの頃)あたりの話から一気に時間が経ってしまいましたが、北海道に有る南極用の雪上車は多分この2種の計3台だけなので当ブログとしては仕方ありませんw。全国には意外と多くの南極用雪上車が点在しているので、いずれ機会があれば観ていきたいと思うのでした(秋田の白瀬記念館は閉館時間に着いてショックだったなぁw)。

さて、雪上車は一般的に馴染みが薄いせいか、当サイトでも注目度は低いのですが、このSM25Sは「フツーに格好良い」タイプと言えるのではないでしょうか。シャドーモービルとか、RSO後期型キャビンとか、ハフリンガー(装輪だけど)とか、男の子が好きそうな抜群のスタイルだと思います!


次回はこれの先祖、大原製の小型雪上車シリーズの元祖、SM15について・・・ 


◆関連エントリー

●南極の雪上車 KD20-2T
○南極の雪上車 SM25S
●大原鉄工所 小型雪上車 SM15

後日追加
つくばエキスポセンターのSM25S(254号車2014年撮影
 当初は4.5号車は丸ハンドルと書いていたのですが、この様な限定回転タイプのハンドルでした。やっぱりSF探検車っぽい魅力があります(笑)

2011年12月5日月曜日

南極の雪上車 KD20-2T

稚内市青少年科学館のKD20-2T
  随分前にKC20-3ぎんれいについて書きましたが、その時にチラリと触れたディーゼル・トルコン版は載せていませんでした。コレがそのKD20-Tです。

KD20-Tは6両のみ制作された、長いボンネットが唯一無二なスタイルの南極スペシャルで、恐らく現存するのは1台という貴重品です。稚内市青少年科学館に展示されているこの個体は第2~6次観測隊(S32~36年)の5号車です。

外からじゃないと全体が撮れません(涙)
休館日でもこうして観れますが(笑)
まず、前モデルのKD20-1T
第1次南極観測隊(1956年冬~1957年春)は4台の雪上車を南極に持ち込みました。そのうちの4号車、KD20-1Tはディーゼル機関とトルクコンバーターを搭載した外観上も特殊な型でした。これは実績のない機械に対する試験的な意味のある採用でしたが、実用性が認められ、第2次観測隊では改良型が採用される事になります。

そして、KD20-2T
KD20-2Tは前年の「-1T」の改良型で、後部にウインチが追加されています。第2次観測隊では一気に5両が採用されました。が、結局、第2次、第3次隊では陸揚げ出来ずに国内へ持ち帰り、第4次隊の時にようやく陸揚げに成功しました。

現地改造のKD20型-3T
上記5両のうち、4次隊は5、6、7号車の3両のみを使用し、8、9号車は使用せずに温存しています。これは翌年、当初から雪上車を持ち込む予定のなかった5次隊の手によってキャブオーバー型キャビンに換装され、KD20型-3Tとして使用、ボディ外観は通常のKC20ともKD20とも異なります。2両のみと思われます。

第6次隊(越冬せず)で一旦昭和基地を閉鎖、この時点で既にこの5号車は可動車にカウントされていなかった様です。

この観測船「宗谷」の時代、第6次観測隊までの雪上車全11両は小松の「ぎんれい」でした。足回りは同じで、エンジン・ミッション・ボディの違いでKC20-3S系KD20-T系の2つに分かれます。

1、2号車(KC20-3S、1次隊)
号車(KC20-3R、レッカー仕様、1次隊)
号車(KD20-1T、1次隊、
5、6,7号車(KD20-2T 2次隊、4次隊で使用)
8、9号車(KD20-2T 2次隊、4次隊持ち込み、5次隊KD20-3Tへ改造)
10号車(第2次観測隊の引き返したきりのKC-20-3Sでしょうか)
11号車(KC-20-3S、3次隊)

観測隊の再開後はKC20-3Sが補充され続け、KD20-Tはこの1+5台で終了しています。なお、1956年10月23日、長距離テストとお披露目をかねて川崎市の小松製作所から文部省までをパレードした際の写真では、4を書き込まれたKC20-3Sを確認できます。KD20-1Tの開発がギリギリ間に合い1次隊出発直前に差し替えられた感じでしょうかね?



この車両は南極に長年放置されて傷みの激しい状態から1981年に修復された物で、車内にはその当時の痕跡が見て取れます。ダッシュボードには「ぎんれい雪上車」のプレートが残っています。この外形が全く異なる南極スペシャルも正式に「ぎんれい」なんだ・・・と、なぜか感動。こうして存在することで何気なく目にしていますが、実はこれは大変な歴史資料であって、現存する事自体が凄い事に違い有りません。

当時の雑誌「子供の科学」には木製模型用の簡単な図面がよく載っていましたが、このKD20-Tの号もありました(実はちょっと欲しい)。市販車でもあったKC20-3の方はソリッドモデルが売られていましたね。さすがは国家プロジェクト、当時の少年にとって南極観測隊はロマン溢れるものだったのでしょう。国産プラモデルの全盛時代だったらなぁ・・・とも思ったりします。


次回は北海道にある、もう一種類の雪上車について・・・ 


 ◆関連エントリー

○南極の雪上車 KD20-2T
●南極の雪上車 SM25S
●大原鉄工所 小型雪上車 SM15




2011年11月28日月曜日

謎の農用トラック?後編

◆謎の農用トラック?前編の続きです。

こうして、こいつの正体がわからず8年間も悶々としていました(ちょっとウソ)

今年になって長年探していた「農業用特殊トラクタ」という本を入手できました(農業機械化研究所、S58年)。当時の国内外のトラクターカタログから特殊なものを載せた物ですが、当時はともかくネット時代の今では資料性をあまり感じない内容と思いました。

でも、その中に2ページだけ興奮するページが有ったのです!
そう!コイツが載っていたのです!それによると・・・

●荷物運搬トラクタ
●ファーミングキャリア NCD35
●TCM東洋運搬機

・・・なんだそうです。そして、なんと、前後にPTOが有り、ななな何と!油圧3点リンクも装備していると書いてあるではないですか!!

なるほど、こりゃ「農業用特殊トラクター」扱いで良いでしょう。いよいよ私の興味の範囲に入ってきました。あの片側キャビンも、トラクターなら一人乗りで当たり前だし、運転席横のプラットフォームに作業アタッチメントを取り付ければ状況を目前で確認しながら作業出来るという訳です。※1

NCD35 TCM製
さて、この写真は今年の秋に見た8年ぶりの実車、上記の事が分かって以降では初見です。そりゃもう近くでジックリ観察したかったものの、近づける状況ではなく望遠で撮る事しか出来ませんでした。

この個体は普通のトラック用タイヤを履いています。フレーム等下回りも普通のトラックっぽい雰囲気ですね。前輪ホイールハウスは空っぽでフロントグリルが筒抜け状態、肝心の後部は、フレーム後端に何やら突起物は有るものの、ハッキリとした3点リンクらしき物は見えません。

可能性の1つになりますが、上記の本には「4輪駆動の運搬車をベースにした云々」の記述があるので、NCD35という車両はあくまでもトラクター装備付きの一形態で、同じ外観の4WDトラック仕様があると読めなくもないです。どうなんでしょ?

時期も違うし同一視は出来ませんが、トラック型の万能トラクターとしては、ドイツのウニモグという大傑作があり、これを真似た和製ウニモグとして三菱2W400という(あまり売れなかった)機種があります。でもNCD35はウニモグよりかなり大きく、デザインも真似ていない所がちょっと良いかなと思いました。

そして、初期のオールドタイマー誌にチラリと紹介され私も憧れた2W400の画像はネット上に沢山あるのに、コイツは1枚も画像検索に出てこないという・・・つまり、どうでもよい車?いやいや、贔屓したくなるっしょ(笑)

なお作業機は、ベールローダー、マニュアスプレッダ、スラリータンク、ブロードキャスタを使用中の写真が本に載ってますが、本車の場合どれだけの種類が用意され、販売する事が出来たでしょうか。プラウやロータリー等の耕耘用の作業機は無かったんでしょうかね?有れば凄く魅力的だと思うんですが(笑)

※1 2011年現在、唯一「TCM NCD35」でヒットしたページ。なんと、前部装着式のベールローダの資料! え!?もしかして油圧3点リンクは前についているのでしょうか?


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 後日追記

上記の個体、ガレージに頭を入れた状態に遭遇し後部だけ見れました。
ナンバー下にスプライン・シャフト(PTO)を確認!
ただ、何やらディテールはありますが油圧リンクには見えません。やはり前にあるのかな?

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 後日追記2 (2017)


別の個体を発見、本格的なダンプ仕様で大きく見えました。
フレームは普通のダンプと同構造ですね。V字のラグタイヤは前回のと同様。
運転席の横は平らで何もないようですがバンパーに3つ丸穴があるんですね。左右の2つは普通はライトが入っているようですが・・・エンジンの位置や前部にヒッチがあるのか含めこの辺りを近くで見たかったけれど近づけませんでした。

謎の農用トラック?前編



見慣れないトラックでした。これは2003年の春先、まだ原付のモトラを乗り回していた頃に(つまり札幌市内か近郊ですね)、何処かの牛舎で目撃した車両です。

メーカーはTCMで、こんな形という事で、建設土木機械に詳しくない私はそっち方面の車両だろうと思い、1枚だけ写真を撮って通り過ぎてしまいました。
 (本当は凄い臭いで近づきたく無かった・・・牛舎から延びたパイプで思い出したw)

平面構成でやけに重そうなボディです。結構古そうですが前後ともオフロードタイヤなので4WDでしょう。グリルはタダの金網で向こうが見えた様な気が・・・空冷エンジンでしょうか? 

キャビンは見ての通り一人乗りの重機風なので、トラッククレーンか何かがベースでしょうか?

いや、TCMなら建機がベースだったりして・・・そういえばホイールベースが妙に短くてホイールショベル(バックホウ)的な感じ。とすると梯子フレームじゃないのか?駆動系は油圧モーターだったりして・・・実際に見たときはそうでも無かったのに、後から写真を見て妄想がふくらんできました。

この時は、何となく見つけたのだから、そのうちまた簡単に見つかるだろうと思っていました。一応ナンバーは取得していても公道メインで走り回る車では無さそうだから、案外、構内作業車の様に人目に付かないだけで結構存在しているのかもなぁ、とも。

その辺は未だに分かりません。普及台数には地域性も有るだろうし、偶々私が知らなかっただけで、建機好きな人には珍しくない車両かも知れません。

ただ、今年になるまで丸8年もの間、私は実車を見ることも、情報を得る事もありませんでした。

・・・次回に続く。



2011年11月27日日曜日

こんにちは。引っ越してきました。


 長年続けたHPから、以前のブログに移行して1年経ちました。さすがに操作にも慣れて使いやすくはなりましたが、幾つか「出来ない事」の方が気になってきました。いや、一部の機能制限は有料バージョンにすると外せたのですが、当ブログの場合は損してまで続ける内容か?って感じですしね・・・(笑)。何れ引っ越すのなら記事は少ないウチが良いと思い、今コッチに記事書いています。

と、まぁ、読者の方にはどうでも良い事を書いてますが、これまでで一番ストレスだったのは、アルバムPicasaの画像を直接貼り付けられない事でした。今さら他のアルバムに画像を分散したくなかったので、結局Picasaの写真をコピーして、リサイズして、その後ブログに再アップしていました。コチラではボタン一つで画像を選んで終わりです!う~ん。らくちん。

まだデザインやパーツ類はお試し中ですが、とりあえずご挨拶でした・・・


HP      アトリエでろり庵
旧ブログ  でろりブログ