2011年12月7日水曜日

南極の雪上車 SM25S

南極越冬隊資料展示館 小型雪上車 SM25S 251号車
前回紹介のKD20-Tは稚内市青少年科学館に展示されていますが、その裏側の駐車場の奥にうっかり見過ごしてしまいそうな「南極越冬隊資料展示館」があります。そこに南極地域観測隊の251号車、つまりSM251号車が屋内展示されています。
陸別町イベントセンター 小型雪上車 SM25S 252号車
北海道の足寄郡陸別町には陸別サーキットというオフロードコースがあり、その横の施設、陸別町イベントセンターに、252号車が展示されています。実は全く偶然見つけた物で、その後、ネットで調べても全然ヒットしなかった知名度の低い車両です。平成10年に持ち帰った物だそう。

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さらに2011年現在、福山自動車時計博物館に253号車が、つくばエキスポセンターに254号車が、千葉県松戸市の昭和の杜に255号車が展示されている様です。 

なんと1~5号車までの全車が国内に現存するんですね!
 この事実を知ってる人は少ないのでは!?





なお1~3号機までは通常の2本レバー操舵ですが、4号機からはハンドルになっているので関東の4、5号車をご覧になる方はそこにも注目してくださいね。 もっともレバー型の方も機械式ではなく油圧式のジョイスティック的な小サイズの物で、後の市販雪上車で採用されるタイプですので見ものです。


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これ以前に南極観測隊では、水上浮揚ボディのSM15S、SM20Sを採用していました。大原鉄工所の市販雪上車、SM15、SM20をベースとした車両ですが、浮力を高める為の軽量車体では牽引力が少ないなど問題があり、後継車では異なるコンセプトの全く新しい車体を開発する事にしました。油圧繰向装置を初採用するなどメカ的にも一新! いやぁ~それがこの格好良いSM25Sという訳です。
なお、市販型は無いので末尾のSのないSM25型と記されていても同じ車種です。(後日訂正、大原が昭和45年から「ラトラック」を作る前の43年に自力でゲレンデ整備車に参入したのですが、その謎の雪上車がSM25Dの名だったようです。このSM25Sとは時期的にも設計的にも繋がりは無いはずです)

試験を兼ねた1号車を南極に持ち込んだのは昭和62(1987)年の28次隊でした・・・という事で、前回の2次隊(タロジロの頃)あたりの話から一気に時間が経ってしまいましたが、北海道に有る南極用の雪上車は多分この2種の計3台だけなので当ブログとしては仕方ありませんw。全国には意外と多くの南極用雪上車が点在しているので、いずれ機会があれば観ていきたいと思うのでした(秋田の白瀬記念館は閉館時間に着いてショックだったなぁw)。

さて、雪上車は一般的に馴染みが薄いせいか、当サイトでも注目度は低いのですが、このSM25Sは「フツーに格好良い」タイプと言えるのではないでしょうか。シャドーモービルとか、RSO後期型キャビンとか、ハフリンガー(装輪だけど)とか、男の子が好きそうな抜群のスタイルだと思います!


次回はこれの先祖、大原製の小型雪上車シリーズの元祖、SM15について・・・ 


◆関連エントリー

●南極の雪上車 KD20-2T
○南極の雪上車 SM25S
●大原鉄工所 小型雪上車 SM15

後日追加
つくばエキスポセンターのSM25S(254号車2014年撮影
 当初は4.5号車は丸ハンドルと書いていたのですが、この様な限定回転タイプのハンドルでした。やっぱりSF探検車っぽい魅力があります(笑)

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